ところで最近は自作小説のことを『駄文』と呼ばないように心がけています。

セルフハンディキャップ、という言葉をご存じでしょうか。これは、あらかじめ失敗ないし上手くいかない状況を想定して行動や声に出す、という心理学の用語だかなんだかです(たしか)。例を挙げるなら、学校でのテスト前に「おれ全然勉強してないよ~」とか、訊いてもいないのにアピールする行動のこととかでしょうか。

この行動のメリットをあげるなら、例に挙げたテストの話なんかだと、テストの点が悪ければ、「テスト勉強してなかったんだから仕方ない」とダメージを軽減することが可能ですし、もしテストの点が良ければ、勉強あんまりしてなかったのにいい点数が取れた、と余計に嬉しくなれる、みたいな点でしょう。つまり、どちらに転んでも法外なほど得はしませんが、損もしない、という一挙両得、一石二鳥な行動なのです。……一見。

ただ、現実、どうしてかセルフハンディキャップを行うと、上手くいく場合、というのがあまりないようです。おれ全然勉強してないよ、とか言って、テストの点が良かった、みたいな美味い話は滅多にないらしいです。テストがどうこうはさておき、単純に逃げ道があるから全力を出せない、失敗しても身を守ることは出来る、という意識が全力を出させないのか、あるいは最初から言い訳をする及び腰な態度が成功を遠ざけているのか……。その辺りの事はわかりませんが、それでもセルフハンディキャップは成功にはなかなか繋がらないみたいです。

この言葉を聞いたとき、自分を鑑みた際、セルフハンディキャップに塗れた己を自覚してしまった、というのが『駄文』呼びしないように意識し始めたキッカケです。失敗したくて毎日数時間かけて文章を打鍵しているわけでもないですし……。

とはいえ、こんなことをわざわざ書いちゃう辺り、なんだか言い訳がましいですね。「自分はセルフハンディキャップしてませんよ」というアピール自体が、聞かれてもないのに苦労自慢したがるオッサンの言い分みたいな感じで、どうにもいかんともしがたい感情を抱かずにはいられませんでしたとさ。まる。