たぶん本格的に真剣に作品として書き上げた最初の駄文です。

当時、自分は2ちゃんねるの18禁の掲示板に入り浸っていました。

別に劣情を解消するためではなく、単純に制作物を発表する場として認識してました。

どういうきっかけでその板を知ったのかは忘却しましたが、きっと劣情が関係していたと思います。

テーマごとに細分化された掲示板には、それに応じたSSと呼ばれているらしい短編が、欲望に忠実に書かれ、なおかつかなり堂々と発表されていて、「こりゃいいや!オレもオレも」と意気揚々と作品を書き出しました。

これを発表したのは『無口な娘サイコー!』的な掲示板で、だからヒロインはほとんど喋りませんし、その当時、この板にしか作品投下していなかったので無口娘ばかりを書いていました。個人的に無口娘が好きかどうかは特に問題ではなく、単純に面白そうだったからだと追記しておきます。まぁ、嫌いではないですが。

いくつか極々小規模な短編を書いているうちになんだか物足りなくなり、それで一念発起して書き上げたのがこの作品『疑似マチューなんちゃら(略称予知チョコ)』でした。

ちなみに『マチュー・ランスベール』というのは実在の予知能力者で、主人公の僅かな異能を匂わせる言葉としてタイトルに採用し、でもマチューさん本人じゃないから頭に『疑似』をつけて、さらにバレンタインがテーマというか象徴的なイベントとして採用していたので『チョコ』、付け足すと結局主人公はほとんどそれをもらえなかった結末から『希少的』などとつけたのだと記憶しています。

……かなり長ったらしくて小難しい取っつきにくいタイトルになったような気もしますが、当時の私としては会心の出来だったような気がします。

これが本格的に初めて、みたいに書きましたが、それまで小説まがいの駄文を全く書いたことがないか、というと実は何度か書いてまして、新人賞に応募しては肩を落としてました。

もうその時の駄文はデータにすら残っていませんが、記憶している限りでもかなり杜撰な出来だったと思います。アレを読まれた方は不幸だったろうな、と両手を合わせてしまいますね。

とにかく本気で書いた作品であるこの予知チョコですが、バレンタインに投稿してみるとなかなか好評で、ありがたいことに「書籍化してくれや」などいうレスも見られ、冗談であるのは承知の上ですがこのようなお言葉をいただけて舞い上がった記憶がありありと残っています。

とはいえ、正直、これ以上の作品はきっと書けないだろうな、と自分の天井が見えたのも明確に記憶していて、それが正しいかどうかは知りませんがあの時、確かに自分は満足してしまってこの作品以降、ほぼ十年単位で創作目的でエディターを起動することはありませんでした。

たしかこの作品も印刷してどこかの新人賞に応募しましたが、結果を記憶していないことから考えると、たぶん誰にも認められなかったのでしょうね。

特に残念にも思わなかったと記憶してますし、無惨な結果ではありますが妥当であると当時の自分も思ったのだと思います。